妊婦歯科治療とは
健康な生活をする上で、大切な役割を果たす「歯」。
お母さんとして産まれてくる赤ちゃんに丈夫な歯を贈りたいと思いませんか?
かかりつけの歯科医院として、妊婦歯科治療に関する情報を発信することで、
産まれてくる赤ちゃんの歯育てのパートナーになりたいと考えております。
妊娠中はなぜお口の環境が
悪化しやすいのか?

- 女性ホルモンが増加することで、歯周病菌が育つ
- 体内の免疫力の低下に伴い、歯肉の免疫力が低下する
- だ液の分泌量が低下するため、口の中が乾きやすくなる
- だ液の酸を中和する力が落ち、口の中が酸性になりやすい
- こまめに何度も食事をとるため、歯の再石灰化ができない
- 食生活が乱れ、栄養摂取が偏りがちになる
- つわりにより十分な口腔清掃が行えず細菌性プラークが停滞する
妊娠中の歯ブラシの選び方
つわりの時は、歯みがきもつらいものです。 歯ブラシは、頭の部分がコンパクトの方が奥まで磨きやすく、ネック部分が細い方が奥まで磨いても気持ち悪くなりにくいでしょう。
また、歯ぐきから出血しやすいのでやわらかめの歯ブラシがお勧めです。
一緒に守ろう!
お母さんの歯・赤ちゃんの歯
つわりで歯みがきがつらい時期にもお勧め!キシリトールを活用しよう!
フッ素は初期むし歯を再石灰化してくれます。そんなフッ素の働きを助けるのがキシリトールです。食後30分以内にキシリトール入りのガムやタブレットを噛むと効果的です。
かみ方のポイントは、最初に出るだ液を飲み込まず、2分間を目安にためて、口の中をぐるぐる回すこと。これによりミュータンス菌にキシリトールを行き渡らせます。
フッ素+キシリトールの歯みがき粉や、歯みがきあとに塗るジェルを使用することもオススメします。
キシリトール入りガムでも、砂糖をたくさん含んだガムも多くあります。そのため、歯科専売キシリトールを活用することをオススメします。
赤ちゃんの歯は妊娠中にできます!

食生活に注意しましょう。早いものは妊娠初期から作られ始めますので、この時期にしっかりとカルシウムを摂ることをお勧めします。また、永久歯も早いものは、妊娠4ヶ月ごろから作られますので、この時期はタンパク質だけでなく、バランスよくビタミンA・B・C、カルシウムなどを摂り、強い歯をプレゼントしましょう。
赤ちゃんの口育について正しい知識を身に付けましょう!
妊娠中のお母さんの姿勢や、産後の授乳、抱き方が赤ちゃんのお口の機能発達や将来の歯並びに影響を与えると言われています。正しい知識を身につけ、赤ちゃんの口元を健全に育てていけるようにしましょう。
当院には認定口育士、食育士が在籍しており、定期的に赤ちゃんからの口育講座、食育講座を開催しております。
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タンパク質
歯の土台を作ります。
歯にカルシウムを貯めるのに、大切な役目をします。
妊娠4~10週頃の初期が特に大切です。 -
ビタミンA
歯のエナメル質の土台を作ります。
また口の中の粘膜も強くします。
妊娠12~24週頃が特に大切です。 -
ビタミンC
歯の象牙質の土台を作ります。
妊娠12~24週頃が特に大切です。 -
カルシウム
歯胚を硬くします(石灰化)。
妊娠中は平常の1.5倍の量を摂りましょう。
妊娠4~6ヶ月頃に特に大切です。 -
ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、石灰化(歯を硬くする)を調整します。
予防診療をしっかり受けよう!
定期健診を受けることで、自覚症状のないむし歯や歯周病も早期に発見できます。 プロフェッショナルケア(歯石除去など)で、お口の環境を清潔に保ちましょう。妊娠中は気軽に相談できるかかりつけ医がいることが安心につながります。
妊娠中の治療について
知っておこう!
妊娠中の歯科治療では、おなかが大きくなるため、治療中のあおむけの姿勢が苦しいという方もいらっしゃいます。その場合は、医師が立って治療するなどの対応をすることで、妊婦さんが苦しくない体勢で治療します。
つわりなどで苦しい場合は、少しづつ休憩しながら治療を行います。医師にお気軽にご相談ください。
妊娠初期(妊娠~4ヵ月) | 切迫流産が起こりやすい時期。色々な影響を受けやすく、治療は控えた方が安心です。 |
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安定期(5ヵ月~7ヵ月頃) | 心配なく治療を行える時期です。 |
妊娠後期(8ヵ月以降) | 臨月に入ってからは、急なお産で中断する可能性もあるため、治療は控えた方が安心です。 |
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薬の影響
適切な使用時期・使用量・使用期間を十分に考慮し、妊娠中や授乳中でも安心して使用できる抗生物質、炎症を抑える鎮痛剤を用います。
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レントゲンの影響
当院では歯科用のレントゲンを使用し撮影しています。撮影部位も腹部から離れており、放射量の少ないデジタルレントゲンを使用しているため、影響はきわめて少ないです。
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局部麻酔注射の影響
歯科領域で使用される局部麻酔薬の通常量では、母体・胎児ともに影響はでません。